グラナテック®点眼液0.4%
対象疾患 | 緑内障・高眼圧症 |
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開発ステージ | 国内販売開始、 韓国、シンガポール、マレーシア、タイ承認取得、 ベトナム申請 |
ライセンスアウト | 興和株式会社(開発コード:K-115) |
概要 | 世界初の作用機序を有する緑内障・高眼圧症治療薬であり、Rho キナーゼを阻害することにより、線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進することで眼圧を下降させます。 国内で実施した原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の患者さんを対象とした臨床試験において、本剤は、単独での使用及び既存の緑内障・高眼圧症治療薬と併用での使用のいずれの場合でも、眼圧下降効果を示すことが確認されております。 2014年12月に国内販売が開始されました。販売名は「グラナテック®点眼液0.4%(一般名:リパスジル塩酸塩水和物)」となっております。 国内での承認取得以降、海外販売に向けた検討が進められています。 |
開発進捗
2002年9月 | 全世界の権利を興和株式会社にライセンスアウト |
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2006年7月 | 国内第 I 相臨床試験開始 |
2007年10月 | 国内第 I 相臨床試験終了 |
2009年3月 | 国内第 II 相臨床試験開始 |
2011年1月 | 国内第 II 相臨床試験終了 |
2011年9月 | 国内第 III 相臨床試験開始 |
2013年4月 | 国内第 III 相臨床試験終了 |
2013年10月 | 国内製造販売承認申請 |
2014年9月 | 国内製造販売承認取得 |
2014年12月 | 国内販売開始 |
2019年2月 | 韓国承認取得 |
2020年3月 | シンガポール承認取得 |
2020年7月 | マレーシア承認取得 |
2020年8月 | タイ承認取得 |
グラナテック®点眼液0.4%の作用点
緑内障は、眼圧が上昇するために起こる(※)と言われており、緑内障治療剤は眼圧を下降させる作用があります。眼球は、眼圧を保つために房水という体液で満たされています。房水は毛様体で産生され、ぶどう膜強膜流出路やシュレム管房水流出路を経由して眼外に排出されています。グラナテック®点眼液0.4%は、シュレム管経由での房水流出を促進する薬剤です。
※眼圧が正常範囲内であっても、緑内障を発症する場合があります。
房水の流れ
リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩の配合点眼剤
2020年2月より、リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩の配合点眼剤の国内第Ⅲ相臨床試験が開始されました(開発コード:K-232)。本配合点眼剤は、リパスジル塩酸塩水和物を含む初めての配合点眼剤として、アドヒアランスの向上が期待され、緑内障患者様の治療に貢献できるものと考えております。
リパスジル塩酸塩水和物の適応拡大の検討
糖尿病網膜症
2014年2月より、グラナテック®点眼液0.4%は糖尿病黄斑浮腫を伴う糖尿病網膜症患者を対象にした探索的臨床薬理試験が進められました(開発コード:K-115-R)。
糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で網膜が障害され、視力が低下し、失明を引き起こす病気です。今後の開発方針は、興和株式会社にて検討されております。
角膜内皮障害
興和株式会社は、2019年8月に角膜内皮障害を適応症とした米国第Ⅱ相臨床試験のIND申請を行いました。本試験は、日本国内とは異なる適応症で、角膜内皮障害患者を対象に、その有効性と安全性を検討するものです。
重度の視覚障害を有する角膜内皮疾患の治療法は、角膜移植しか存在しないのが現状であり、有効な治療薬の開発が望まれています。